手編みのベストの続きを編んでいますが、左前身頃が編み終わったその後、
全ての身頃が編み終わり、次なるは「肩のかぶせはぎ」という段階を迎えました。
今回早く編み終えようと横着をして、
通常のかぎ針を使った引き抜きはぎで肩のかぶせはぎを行いました。
久しぶりに行ったこともあって、
目を落としやすかったのと、引き抜いた時の目がきつめになってしまい、
編み地がひきつれてちぐはぐしはぎ合わせになってしまいました。
そこで気を取り直し、以前ヴォーグ学園の棒針編み入門科で学んだ「捨て編み」という技法を思い出し、
肩のかぶせはぎをやり直したところ、一発で綺麗なはぎ合わせができました。
今回、復習を兼ねて「捨て編み」について、
詳細の編み方と手順・ポイントなどを振り返っていくことにします。
-
交差模様のベストを編みました 〜ヴォーグ 棒針編み講師認定通信講座「入門科」最終課題 と添削結果 〜
続きを見る
クリックできる目次
捨て編みとはどんな技法?
捨て編みの概要
捨て編みは、肩のはぎあわせ(いわゆるかぶせはぎ)をする編み方の技法です。
<捨て編みの概要>
肩をはぎあわせる準備のため、
肩から目を拾って数段編んで土台を作っておき、
そこから目を拾って前身頃と後ろ身頃の肩をはぎ合わせていく方法です。
捨て編みの利用場面
実際どのような時に行うか?というと、
手編みのセーターやカーディガン、ベストなどの肩はぎの時に用い
この方法を使用することで、安定したはぎ合わせをすることができます。
肩のはぎ方のパターンの種類
肩のはぎ方の種類
1、かぎ針での引き抜きはぎ
2、棒針を使ったかぶせはぎ
3、棒針を使った捨て編みによるかぶせはぎ
肩のかぶせはぎには、上記のような方法がメインとなります。
上記の中でも特に、「かぎ針での引き抜きはぎ」が比較的簡単でよく使用してきました。
かぎ針と棒針を使った肩のかぶせはぎの方法について
かぎ針を使った肩のかぶせはぎの方法
<かぎ針の引き抜きはぎの方法>
1、身頃を中表に合わせる。
2、両方の端の目それぞれに手前からかぎ針をいれる。
3、かぎ針にかかっている2目に、向こう側から新しく糸をかけて2目に引き抜く(二目を1つにする)
4、同様に、向こう側の目と手前の目に針を入れ、かぎ針に糸をかけて引き抜く。
(すでにかぎ針には1目かかっている状況のため、3目を一度にひく抜く)
これを繰り返す。
5、最後はかぎ針に残った目から糸を引き出して糸をカットする。
通常の棒針編みの肩のかぶせはぎの方法
<通常のかぶせはぎ概要>
1、前身頃と後ろ身頃を中表にした状態で、手前に前身頃の手前から針を入れる。
2、後身頃の目を向こう側から拾う。
3、そのまま手前の前身頃から拾った目に通す。
4針にかかった目を伏せ目をしていく。
捨て編みを使った「肩のかぶせはぎ」の詳しい手順
「捨て編み」を使った肩のかぶせはぎの詳細の手順
1、本体の毛糸と同じ太さの毛糸を用意する。
本体とはなるべく違う色の毛糸の方がわかりやすいです。
今回編んでいる毛糸はメンズクラブマスター ですが、
在庫の毛糸のラベルと毛糸とを照らし合わせながら探したところ、
同じ太さだったのが、ダイソーの「メランジ」でした。
↓
2、前身頃と後ろ身頃の肩部分から目を拾い、
メリヤス編みを4ー6段ずつ編みます。
↓
前身頃の左右の肩、後ろ身頃の左右の肩に
メリヤス編みの捨て編みの部分を編み付け終わったところです。
針の号数は1号下げるのがポイントとテキストに書いてありました。
この捨て編みにする毛糸は、肩がはぎおわったら解いてしまうので、
1カ所だけ、違う色の茶色のメランジを使っています。
「あまり毛糸」で同じ太さの毛糸があれば問題ないのです。
ちなみに使っている「ほつれ止め」は両開き仕様なので、時には大変便利です。
↓
3、前後見頃にそれぞれ「メリヤス編み」が4ー6段あめたら、
メリヤス編み部分を前後見頃の内側に倒して、中表にします。
↓
4、本体の前身頃の最後の段から、目を拾っていきました。
- 通常のかぶせはぎの要領で、手前の前見頃の目には手前側から棒針を通す。
- 後身頃の目には、向こう側から棒針でひろう。
- 後ろ身頃の目を、そのまま前身頃の目に通す。
このような作業を続けていきました。
↓
5、予定通りの目数であるか、数えながら注意深く拾っていきました。
通常のかぶせはぎの時より、メリヤス編みの土台があることで目が拾いやすいです。
↓
5、目を拾い終わったら、通常のかぶせはぎと同じ要領で伏せ目をしていきました。
はぎ終わったところを見てみるとこのような仕上がりになります。
↓
6、この後は、メリヤス編みを解けば終了です。
↓
ほどき終わると、はぎ終わった目が現れてきます。
編み目のバランスも、最初の「通常のかぶせはぎ」とは違って落ち着いていました。
伸ばしてみると伸縮性があり、着心地にも良い影響してくる仕上がりです。
↓
裏側も見てみましょう
はいだ裏側部分の厚みも気にならず、ゴロゴロせずに薄い仕上がりとなっています。
捨て編みによる肩のかぶせはぎの効果とポイント
捨て編みによる肩はぎをしてよかった点
今回、通常の肩のかぶせはぎではなく、
「捨て編み」を使った肩のかぶせはぎをすることで
よかった点は以下となります。
1、通常のかぶせはぎでは「目を落としやすかった」ところ、
メリヤス編みの土台があることで目を拾いやすくなり「目を落とさずに」拾うことができた。
2、はいだ部分の目が整っており、裏側もゴロゴロせずに厚みのない薄い仕上がりになった。
3、後ろ身頃にも前身頃にもなじみ、伸縮性のあるはぎ合わせになった。
4、捨て編み用のメリヤス編み部分を解く作業が楽しかった。
捨て編みによる肩のかぶせはぎのポイント
1、捨て編みの段数は4ー6段は必要
今回、一部のメリヤス編み部分を、糸の残りの関係で3段しか編めない部分がありました。
(茶色のメランジ部分)
目を拾っていくときに支障は特に感じませんでしたが、
4-6段確実に土台ある方がメリヤス編みの編み地を中に倒しやすく安定しました。
以上より、4-6段×捨て編み4カ所分の毛糸の量を確保してから編むことが大切です。
2、捨て編み用の毛糸は同じ太さの毛糸にする。
3、捨て編み用の毛糸をメリヤス編みで編む時の針の号数は、本体よりも一号下げる。
4、メリヤス編み部分から拾い目をするときは、必ず目数をチェックする。
5、捨て編みを解くのは楽しい作業なので、面倒がらずに編もう。(自分への戒め)
肩のかぶせはぎ、無事に終了
今回、棒針を使った捨て編みという方法を利用して肩をかぶせはぎしなおしたことで、
かぎ針による引き抜きはぎよりも、編み地に馴染で安定した仕上がりになりました。
「メリヤス編み」で土台を作って目を拾いはぎ合わせていくこの捨て編みの技法を使った方が、綺麗な仕上がりになることを再確認することができました。
今後は、簡単にすまそうとせず、習ったことをしっかりと活用し、
綺麗な仕上がりのために有効活用していこうと思います。
まだ「捨て編みを使った肩のかぶせはぎ」にチャレンジされたことのない方も、
よろしかったらトライされてみてくださいね。
今までと違った仕上がりになるはずです♩
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
>>捨て編みをつかった最初の作品(棒針編み入門科)
-
交差模様のベストを編みました 〜ヴォーグ 棒針編み講師認定通信講座「入門科」最終課題 と添削結果 〜
続きを見る
>>ニットスカートでも捨て編みを使用(棒針編み講師科)
-
手編みのニットスカート④ 〜ベルトをつける工程のポイント〜
続きを見る
>>ベストをモバ編みしています
-
【モバ編みを楽しもう】モバ編みに適したアイテム&持ち運びしやすい道具
続きを見る
↓私の愛用本です↓